ご縁づくり、「どなたでもどうぞ」ではダメな理由。子ども若者ご縁づくり研修会@西本願寺

二泊三日の日程で京都の西本願寺において、『子ども・若者ご縁づくり中央連絡協議会&スキルアップ研修会』が行われた。

研修会での学びをお伝えしたいと思う。

目次

ワークショップ形式での研修

班ごとにテーマを決めて話し合った。

今回の研修会は専門のコンサル会社に入ってもらい、ファシリテーターをたて、ワークショップ形式で行われた。

全国各地から集まった、子ども若者に関わるお坊さんたち(及びお寺関係者)が班に分かれて、意見を出し合い、最終的には具体的なアクションプランを作るのが目標だ。

ぼくはこういう形式のものに別の団体ではあるが、何回か参加させてもらっているが、主導者によって少しずつ違うので、毎回勉強になる。

時間制限の中で議論&発表

特に今回は、スケジュールの都合上、時間がタイトで折に触れて全体で発表する時も時間制限が「1分」ということが多かった。

そうなると、発表者は言葉を厳選して、簡潔に分かりやすく伝わるように発表しなければならないが、それらをまとめる時間もまた短いので、みなさん、なかなか苦労され、多くの方が「チーンの恐怖」を味わった。(笑)

それでも、時間を意識するとおのずと効率的になるので、いい練習になったのでは?と思うし、日常行われるお寺の会議やイベント会議でもこの方式を取り入れていきたいと感じた。

(この方式が効率的だという共通認識が必要だけど。)

ペルソナ作成でターゲットを明確に

このワークショップ形式の内容で面白かったのが、「ペルソナの作成」だ。

最終的にアクションプランを練るにあたって、どこに向けて発信していくか?ということが重要になってくる。

そこで活用されるのが、“ペルソナ”である。

あくまで仮想ではあるけれど、「いるよねこういう人!」という、具体的にイメージできる人物を作り出して、その人(層)に向けて企画を作り出していくという手法で、多くの企業でも採用されている手法であるそうだ。

しかも、今回は実情と乖離したおっちゃんたちの想像ではなく、班にいる実際の若者に、“若者の実情“を聞き取りながら、(ここがミソ!)ペルソナを作成していった。

そうして出来上がったのがやたらリアルな「小谷蓮くん、24才男性、会社員」だ。

●小谷蓮(24)
彼は現在大阪のアパートで一人暮らし。趣味はサイクリングとカメラ。仕事で疲れてはいるけれど、休日は寝るより趣味を取る。スキルアップにも興味あり。彼女は現在募集中。

…という、アクティブで意識高い系の人物だ。

実際に若者にヒアリングをしたので、具体的な情報はもっとあるのだが、本人が特定されてもまずいので、この辺でとどめておく。

 

この作業はとても楽しかったし、どの班も盛り上がったようだ。

結果的にこのペルソナ(小谷蓮くん)を作ったおかげで、彼の情報をもとにして、彼が行きたいと思えるような、アクションプランを作成することができた。

そこでの学びが、目からウロコだったので紹介したい。

大切なのは、“あなたに”来て欲しい

ぼくたちは普段、お寺で「どなたでもどうぞ」という言葉を使う。

それは、「お寺に誰でも参ることができますよ。」という意味を込めているが、実は「どなたでも」は「だれでもいい」という意味も含んでいる。

私のことかもしれないし、私のことでないかもしれないという風に、ぼやけてしまうのだ。

 

けれど今回は、たった一人に向けて、「小谷蓮くん」に向けて“ご縁づくりプラン”を作成していった。

するとどうだろう。

次々とアイディアが浮かんでくるではないか。

彼にはこれが興味があるだろうから、こういう風に訴えかけてみては?とか、小谷くんが好きそうなイベントにぼくたちが参加してみて予習するというのは?などなど…

ターゲットが明確であるから、方向性がしっかりして、アイディアも明確になったということだろう。

最終的に模造紙に描かれたプランを見直してみれば、当日のイベントの楽しそうなイメージもさることながら、準備の過程で必要な協力先や専門家のつながりなどなど、実現すれば今後の可能性がある関係性も構築できそうなものになった。

これは大きな発見だった。

一見間口が広そうな「だれでも」より、たった一人「あなた」に絞ったほうが、逆に広がりが出てくるということなのだ。

 

「だれでもではなく、あなたのために。」

”あなたのお寺、あなたの居場所”を目指すためには、

どうやらこれがキーワードになりそうだ。

 

そう感じた実りある研修会であった。

 

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