七条袈裟の着付け方法(浄土真宗本願寺派)研修会レポ・動画リンクあり。

自動車の免許をとって、しばらく時間が経って慣れてくると…

「あれ?これってどう習ったんだったかな?」

「ここのルールどうだったっけ?」

ということが出てきませんか?

今回はそんな時、どうしますか?というようなお話です。

 

自動車の免許と同じように、実はお坊さんの世界も免許制。

基本的に「得度」という僧侶資格を授かれば、〇〇宗のお坊さんと名乗ることができます。(宗派によって違うかも。)

しかしながら、往々にして教科書の知識と、現場は違うということで。

例えば、実家のお寺に帰ったりすると、京都の本山とは違う、そこ独自のルールやしきたりがあったりするんですね。

現場に出て数年経って、独自ルールに慣れてしまうと、あんなに京都の先生からみっちり教えてもらった記憶も少し遠いところに行ってしまいます。

これじゃあいけないということで、先日、豊前市岸井の徳善寺さまで「七条袈裟の被着法」という研修会が行われましたので、参加してきました!

※後半に着付けの動画リンクを載せておきます。

目次

元・本願寺式務部による直接指導

この研修会は、お寺の法要に合わせて僧侶、上毛組というグループの寺族向けに行われたもので、会場である徳善寺の住職さんが以前からやってみたいと考えておられた企画だということでした。

今回のテーマである「七条袈裟の被着法 ひちゃくほう」ですが、まず「七条袈裟」(しちじょうげさ)とは、主にお葬式の時に浄土真宗のお坊さんが身に着けている服装です。

七条袈裟とは、お坊さんの服装の中で最も整った服装になり、本願寺から出版されているお坊さん必携の『法式規範』という作法や服装などが規定されている本にも、「礼装第一種」として載っています。

その七条袈裟の被着法(着付け)を改めて学んだ研修会でした。

被着法とは…?

僧侶が法要や儀式などに用いる袈裟(けさ)・衣(ころも)・切袴(きりばかま)を総称して「衣体(えたい)」(関係法規を参照)といい、その着け方を「被着法」という。

衣体を着用のときは、白衣(はくえ:白服びゃくふく)・白襦袢(しろじゅばん)・白帯(はくたい:白衣用の白い帯)・白足袋(しろたび)を用いる。ただし、布袍・輪袈裟の場合は、俗服または洋服の上に着用してもよい。

勤式指導所HPより

 

今回、特別にご指導いただいたのが、大分県日田組法林寺ご住職の水之江さん。

先生は京都にある西本願寺の「式務部 しきむぶ」という、作法やお経を取り仕切る部署につとめておられた方で、いわゆるお経や作法のプロ中のプロです。そんな方からご指導をいただくことは、地方にいるとめったにない機会になります。

いざ、研修へ突入!

資料を用いながら、お袈裟の種類を説明していただき、実技に入っていきました。

まずは、五条袈裟のつけ方から。

こちらは身につける回数が多いので慣れてはいますが、細かいポイントを質問することができました。

研修会は生の受け答えができることが最大のメリットですね。

続いては、いよいよメインである七条袈裟の被着法です。

七条袈裟の被着法(着付け)

先生がモデル役の僧侶の着付けをされ、その周りを参加者が取り囲み、真剣に見つめます。

やっぱり直に見るって大事です!

着付け方を文字にすると…

七条袈裟(しちじょうげさ)
七条袈裟を用いる服装を「礼装(れいそう)」といい、僧綱板(そうごういた)および切袴を着用する。

着け方は、まず衣の上に僧綱板をつけ、僧綱板の脚布の上から石帯(衣用の帯)を締める。横被を右肩からかけ、ひもを左わき下へ回して結ぶ(横被の肩にかかるところは、首に近い側の端を少し内側に折っておく)。

次に、あらかじめ修多羅を結びつけた袈裟の右端を三つ折りにし、裏威儀(結びひも)のところで内側に折り、横被の下の右わきから左肩にかけ、上下の力ひもを結び、修多羅のひもを横被のひもの内側を通して裏威儀に結びつける。

左手の親指は、つねに袈裟の内側にある指かけにかけて、袈裟の左上隅を内側に折りこむように押さえながら、身体の中央にかるくつける。

…となるのですが、これだけでは、何が何だかですが、その場でじっくり見て、聞くと、多くの発見がありました。

実は七条袈裟というのは一人では着ることが難しく、たとえ着ることができたとしても、美しくならないことが多いもので、ぼくも、お葬儀のたびに、二人で会場へ出向いて、住職の着付けをするのですが、普段やっている方法とは細かなところが違いました。(先生のやり方が正しいのですね。)

一つずつ解説していただき、正しい折り方や、曲がっていたらここを修正するといいというコツなど、ポイントも教えていただきました。

その結果出来上がったのはとても美しく着つけられた七条袈裟。さすが、の一言です。

参加者でやってみる

先生から教わったのち、参加者で着付けをしてみました。

見ているだけとは違い、さっき教わったことでも苦戦しました。

やってみることは大事ですね!

教えてもらったことを、何度も繰り返し練習することが肝心だと思います。

「七条袈裟の着け方」動画あり。勤式指導所の衣体の被着法はこちら。↓

[blogcard url=”http://gonshiki.hongwanji.or.jp/html/example1_2.html”]

 

切袴のたたみ方

最後に切袴(きりばかま)のたたみ方を教えていただきました。

だいだい自分でやっているところと同じでしたが、長い紐をしまうスマートな方法がありました。

紐をくるくるっとまとめて、ひっぱるとあっという間に畳まれたものが完成するという、

動画でみないとまったく意味の分からない説明ですが、とにかくスマート。

先生がすると何気なく、かっこいいんですね。

まとめ

「はじめは七条袈裟のつけ方なんて知ってるしなぁ」という思いもありましたが、結果的にはできているという思い込みが破られる結果になりました。

先生との距離感も近かったこともあり、疑問に思っていたことを気軽に質問できたのもよかったです。

時々こういう企画を行ってもらえればうれしいなと思います。

もし、みなさんもずいぶん前に習ったことがあるのなら、今一度見直してみることをおすすめしますよ。

「七条袈裟の着け方」動画あり。勤式指導所の衣体の被着法はこちら。↓

[blogcard url=”http://gonshiki.hongwanji.or.jp/html/example1_2.html”]

 

 

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