この記事では、お盆のおまいりに来るお坊さんへの最適なお茶とお菓子の内容お伝えします。
いまだ日本の原風景が残る「お盆」
どこか懐かしい響きがする行事の一つです。
そんな、お盆にはお寺からお坊さんに来てもらって、お参りをしてもらうという方も多いのではないでしょうか?
でも、いざお坊さんを迎えようとする「どうしたらいいの?」ということも多いはず。
今回はお盆で悩みがちなお坊さんに対する「お茶とお菓子の内容」をお伝えしたいと思います。
- 熱いものか、冷たいものか?
- お茶菓子はどんなものがいいのか?
- どのタイミングでお茶を出せばいいのか?
そんな疑問に現役の僧侶がお答えしたいと思います。
これを読めばきっとあなたのお家に来るお坊さんも喜ぶはずです!
それでは、いってみましょう!
▼この記事は次の人に読んでほしいです。
・親から役目を引き継いだ若い世代の方
お盆の時にお家に来るお坊さんへのお茶の出し方 結論
※今回はお盆に限定した全門徒(檀家)をお参りして周るような状況を想定しています。
この記事ではお坊さんにどのようにしてお茶やお茶菓子を出せばいいのか?ということについてお伝えしていきますが、
まず、時間のない方のために結論からお伝えします。
一僧侶の意見ですが、次の意見を参考にしてください。
- お茶を出すタイミングは「お経の後」
- お茶の温度は「常温」で。氷を用意しておくと冷たいものにも対応可能!
- 持って帰ることができるお菓子がおすすめ
- ペットボトルも場合によっては有り難い
- 実際のところは、お盆前にお寺に尋ねてみましょう。
色んなお坊さんがいますので、まずはお家に来ていただく方に尋ねるのがベストです。
『お盆に家に来るお坊さんへのお茶とお菓子の出し方』を詳しく知りたい方は以下で詳しく説明しますので、見てみてください。
お盆といつものお参りとの違い
まず、お盆と通常のお参りの違いを見ておきましょう。
いつものお参りの様子
ここでいう通常のお参りとは、月命日のお参りのことで、地域によっては「お月忌」(おがっき)や「お逮夜」(おたいや)と呼ばれています。
たいていの場合は月一回、お宅に伺いお仏壇の前でご門徒さんと一緒にお経をおつとめします。
月命日の流れは次の通り。(あくまで私の経験上)
↓
お経後にお茶とお菓子をいただく
↓
食べられない場合はお菓子を鞄に入れていただいて帰る。
…というのがスタンダードです。
毎月のことですので、非常にゆったりとした時間の中で、顔なじみのご門徒さんと仏様の前で過ごします。
お経が終われば、世間話や仏事相談や法事の予約などに応じたりもします。
法事になると少し様子が違ってきますが、月参りですと上のような感じで、次のお参りの時間までは少し時間があるので、気持ち的には少しゆったりしています。
お盆のおまいりの様子
一方で本題のお盆のお参りを見ていきましょう。
あらかじめ言っておきますが、ゆったりとした通常のお参り(月命日)に比べてお盆のおまいりは、かなり特殊な状況と思っていただいた方がいいです。
その最大の理由は、お盆参りは基本的に全門徒(檀家)にお伺いするからです。
そのため、一日に何件もお参りしないとお盆中にご門徒(檀家)のお参りが終わらないということになっていまします。
最近では合同本法要というような名前でお寺に門徒さんに来てもらい、法要をする形も出てきましたが、まだまだお宅に伺ってお参りするのが多いと思います。
そのため、いつものお参りより確実に時間を気にしてお参りしているのがお坊さんの本音です。
一軒一軒丁寧に参りたいという思いももちろんありますが、丁寧に参りすぎると他のお宅に迷惑がかかってしまいます。
そのような理由でお寺差や地域差はありますが、お盆中はとにかくお坊さんは慌ただしくしていると思っていただいていいでしょう。
お盆にお坊さんがお家に来る時のお茶の出し方 解説
以上を読んでいただくと、お盆はお坊さんの時間がないということが分かっていただけたと思います。
そのことを前提にしておくと、お坊さんをどう迎えればよいかが自ずと分かってきます。
ここからは、実際のお茶の出し方を見てまいりましょう。
※今回、説明する方法以外でもありがたくいただきます。「どうしたらいいのか、わからない」という方が参考になればありがたいです。
お茶の温度はどうすればいい?
お坊さんには熱いお茶がいいのかしら?それとも、冷たいお茶?
お坊さんに出すお茶の温度で悩まれている方がけっこういます。
実際に私自身ご門徒さんからよく質問されることがあるので、書いておきたいと思います。
「どの温度のものを出せばいいのか?」ということですが、お盆は暑い最中ですから、お坊さんには冷たい飲み物を出してあげたいところですが、少し注意が必要です。
体調管理の観点からお茶の温度に気をつけておられるお坊さんもいるからです。
冷たいものであっても少しの量なら問題ないですが、お盆中にすべてのお宅で冷たい水分を摂取したとするとかなりの量になります。
そのため個人差はありますが、冷たいものばかりだと場合によってはお腹を下したり、体調を崩したりしてしまいます。
そのため、夏であっても時には熱いお茶がいいという方もいらっしゃいます。
反対にやはり夏は暑いので、なんと言っても冷たいものがいいという方もいらっしゃいます。
このあたりは個人差があるので、実際のところはお参りに来ていただくお坊さんにお伺いするのがいいでしょう。
私の場合ですが、お茶の温度に関してもう少しリアルな話をすると、
お盆参り中ではあるタイミングでは冷たいものがいいなと思ったり、温かいものがいいなと思うことの両方があります。
たとえば、直射日光の中歩いて、汗ダラダラの時はやはり冷たいものがいいなと思いますが、
冷たいものが続いたり、汗だくになって衣が濡れてしまっている時に冷房に入って一気に冷えたりした時は温かいものの方がいいなと思います(わがままですみません…。)
結局、どちらを出せばいいの?
…と思いでしょうから、ここでとっておきのアイディアをお伝えします。
一番いいのは事前にお坊さんに聞いておくということですが、初めてお盆参りを頼む場合や、一年に一度しかお参りがないという場合は、事前に要望を聞くことが難しいでしょう。
ですので、個人的なアイディアとして身体を冷やさないことと、冷たいものどちらも対応できるようにしてはどうか?と思います。
それは、次のようにすれば効率よく用意することが可能です。
・場合によっては氷を入れる
という組み合わせがいいと思います。
常温のペットボトルのお茶であれば、熱くはなくとも、身体を冷やすことはありませんし、
製氷機で氷を用意しておけば、冷たいものがいいという場合には、コップに氷を入れればすぐに用意することができます。
またどうしても、熱いお茶がいいとおっしゃる場合は電子レンジでチンもできます。
ペットボトルのお茶だと失礼なのでは?という方もいるかもしれませんが、お茶を出していただけるだけで有り難いですから、沸かしたてじゃないとだめとか、玉露じゃないとだめとか、そんなことは普通は言いません。(普通は)
お盆中はお坊さんが来る時間が具体的に分からない場合もありますので、いつお坊さんがお見えになってもペットボトルならバタバタせずに用意できますし、
お茶をペットボトルにすることでできた少しの余裕をお坊さんと一緒にお参りする時間にすることもできます。
個人的には、一緒におつとめしてくださる方が嬉しいです。
実際、お盆の時間のない中でお茶をゆっくりと味わうのは難しいですし、ペットボトルのお茶の質も上がっています(◯鷹とかね。)
あまり文句を言う方もいらっしゃらないと思いますよ。
とは言え、やはりしっかりとしたおもてなしがしたい、よいお茶を出したいということであれば、
思うようになさって、実際にお盆のお参りに来たお坊さんの最適な方法を尋ねてみて、来年活かすというのが確実です。
お茶を出すタイミング
お茶を出すタイミングですが、私はお盆のお参りの際は後がいいと思います。
前のお宅で最後にお茶をいただいている場合もありますし、お経を称えることは少なからず体力を使いますし汗もかきますので、お経を終えた後に水分を摂りたいというのが自然です。
ただし、場合によっては、声を出す前に喉を潤したいという方もいらっしゃいますから、来てくださるお坊さんが実際のところどうなのかと聞いてみましょう。
ちなみに、法事などの際はお経の始まる前・休憩中・すべて終わった後と3回出してくださる場合が多いです。
実際にいただいたことのあるお茶のパターン
「お茶をいただく」と言っても実に様々なパターンがあります。少し実例をご紹介しましょう。
- お茶
- ジュース
- オリジナルジュース
- 栄養ドリンク リポビタンDなど
- 缶ビールをおみやげに
- ペットボトルのお茶
- スポーツドリンク
ざっと挙げただけでも色々なバリエーションがあります。
また、お盆ではないですが、通常のお参りの際には次のようなものを用意してくださるところもあります。
- ドリップコーヒー
- お抹茶
こうやって改めて見てみると皆さんがお坊さんに思いをかけてくださっていることが分かり、胸が熱くなります。
上記のようにお茶と言っても様々なパターンがありますので、それぞれのお宅のしやすい形でいいと思います。
参考にしてみてください。
ペットボトルを渡す際は、お坊さんの交通手段を聞こう!
お盆を特集していたテレビの影響で一時期「お坊さんのお茶はペットボトルがいい」という情報が流れました。
その結果、お盆のお参り先でいただくお茶はペットボトルが多くなったことがありました。
このこと自体はお坊さんに何を出せばいいのかということを情報を収集して、お気遣いいただいているので、めちゃくちゃ嬉しいのですが、
ひとつ困ったことがありました。
それは私が「徒歩」でお参りしていたことでした。
歩いてお盆参りをしていたので、もちろん、鞄は手持ち。
お参りする度に少しずつ増えていくペットボトルの重さがズシリときました。
そこで、お坊さんにペットボトルを渡そうと思ってらっしゃる方におすすめなのが、お坊さんに
「今日は何でいらっしゃいましたか?」と聞いてみることです。
もし、お坊さんが車だとお答えになったら、車内に置いておけるので、ペットボトルをお渡ししましょう。
もし、徒歩であればその場でペットボトルを開けて、コップに移してお茶を差し上げたほうがいいでしょう。
自転車やバイクだと少々であればカゴなどに入れられますが、許容量があるので、「まだ荷物は乗りますか?」と聞いてみるといいと思います。
お茶菓子はどんなものがいいのか?
お茶菓子につていも見ておきましょう。
結論から言うと、お盆の場合のお茶菓子は「持って帰ることのできるものがベスト」です。
お参りの際に生菓子を出していただくこともありますが、普段ならいただくところでも、お盆中はあまり余裕がありません。
それに、一日に何十軒とお参りするので、すべてのところでお菓子をいただいていると、大変なことになります。
そこで、「食べたほうがいいかな?どうしようかな?」と気を使わずに済む気軽に持って帰れるものがいいでしょう。
たとえば、小分けにされた饅頭やモナカなどであれば、急いでいるときであってもさっと鞄に入れることができるので、ありがたいです。
おしぼりはあると嬉しい!癒やしのアイテム
おしぼりがあると嬉しいです。
汗を拭くことができますし、手や顔を拭くと思いの外さっぱりして、ほっと一息付くことができます。
お宅によっては、少し湿らせたおしぼりを冷凍庫で凍らせたものを出していただくこともあります。
そのような「冷凍おしぼり」は、首元や顔に当てて使わせていただきますが、冷たくて頭がシャキッ!とするので、嬉しいアイテムの一つです。
お盆のお坊さんへの茶とお菓子について まとめ
今回は、お盆のお坊さんへのお茶とお菓子はどんなものがいいのか?ということをお伝えさせていただきました。
あくまで、私の経験上思うことでしたので、一僧侶の意見として受け取っていただければと思います。
一番はお伝えしてるように、来ていただくお坊さんにお茶はどんなものがいいか聞いてみるというのがベストです。
一年に一度であっても少しずつコミュニケーションが取れると、お坊さんも嬉しいです。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
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